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エイジ

エイジ (朝日文庫)Bookエイジ (朝日文庫)

著者:重松 清
販売元:朝日新聞社
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ぼくはいつも思う。「キレる」っていう言葉、オトナが考えている意味は違うんじゃないか―。通り魔事件が相次ぐ東京郊外のニュータウン。犯人はぼくの同級生。でもぼくの日常は事件にかまけているほど暇じゃなくて…。家族、友情、初恋に揺れる14歳、少年エイジの物語。山本周五郎賞受賞作。(裏表紙より)


本書は少年犯罪を扱っていて、軽々しい内容ではありません。けれども巧みな筆致が心地よくて、すんなりと読めました。

それにしても著者はなぜ、中学生をこんなにも瑞々しく描けるのか不思議です。前に読んだ『疾走』もやはり中学生が主人公でしたが、生々しい息遣いや鼓動が痛いほど感じられました。

本書はそこまでの緊迫感は醸し出さずに、あくまで少年エイジの家族、友情、初恋に揺れる日常を中心として描かれています。

テーマは「現実の事件と報道されるイメージとの乖離」です。社会やマスコミが短絡的に「いまの少年は…」と総括することによって、個々の事件そのものが見えづらくなってしまうと指摘しています。

人間はわからないというのは恐怖だから、無理にでもグループ分けをして理解しようとします。しかし、それは「森を見て木を見ず」になってしまう危険性があります。

犯罪の低年齢化や「キレた」結果がエスカレートしているというのは、なぜなんでしょうか?

評論家の三宅久之さんが「国会議員だけがバカだなんてことはありません。それは国民がバカだからです。」と繰り返し発言されていますが、まさしく中学生だけがキレるわけではないと思います。

そうすると、やはり社会のほうに問題があるという一般論に至ってしまい、個々の事件から離れてしまう…難しい問題です。


私たちがマスコミ報道によって事件を受け止めるとき、犯行の動機を考えるばかりではなく、そこに至るまで私たちができなかったこと、すべきであったことを真剣に考えなければならないと感じました。

その場しのぎで「あぁ、やはり分からない」というような納得の仕方をしてしまう…それは思考停止だと思います。

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