自壊する帝国
![]() | 自壊する帝国 (新潮文庫)
著者:佐藤 優 |
ソ連邦末期、世界最大の版図を誇った巨大帝国は、空虚な迷宮と化していた。そしてゴルバチョフの「改革」は急速に国家を「自壊」へと導いていた。ソ連邦消滅という歴史のおおきな渦に身を投じた若き外交官は、そこで何を目撃したのか。 (裏表紙より)
「外務省のラスプーチン」と呼ばれた筆者が、20代から30代半ばまでを振り返り、入省の理由や語学留学を経てのロシア勤務を回顧しています。
身近な出来事や周囲の人物像を掘り下げることで、ロシアの民族と宗教、ひいては人間の志と欲望が垣間見れ、局所的な事象から人間の普遍性までをも描いています。
学問や仕事に真摯に打ち込む姿は、少しだけ自画自賛と感じる描写もありますが、研究者としてのプライドの表れだろうし、清濁併せ飲みながらも志のある人間として、外務省に必要な人材であったと思います。
丁寧な筆致ですが、やはり内容ゆえに難しいです。ただし、ソ連崩壊に立ち会った日本人外交官の記憶として、残しておくべき書だと思います。
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