ゼロの焦点

ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))Bookゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))

著者:松本 清張
販売元:光文社
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夫は結婚してすぐに失踪し、妻はその行方を追う…ひとことで言えば単純なストーリーです。

ミステリーとして扱われる事件そのものよりも、終戦からしばらく経った時代の空気が濃密に描かれていて、むしろそちらが主題となっています。

現在と切り離された時代では決してないけれども、たとえば東京と北陸ではまったく「別の国」といった思考基準があって、同じでようで同じでなかった時代を伺い知ることができました。

主人公は夫のことを詳しく知らずにお見合い結婚して、夫が失踪してはじめて夫の過去を知ることになります。

お見合いをして相手のことをよく知らずに結婚する…お見合いの方がめずらしい現在ですが、相手を理解できたから結婚するのか、未知の部分があるからこそ結婚するのか、なかなか難しいですね。

ささやかな幸せを願う、単純で儚い人間の営みを描いた作品でした。

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自壊する帝国

自壊する帝国 (新潮文庫)Book自壊する帝国 (新潮文庫)

著者:佐藤 優
販売元:新潮社
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ソ連邦末期、世界最大の版図を誇った巨大帝国は、空虚な迷宮と化していた。そしてゴルバチョフの「改革」は急速に国家を「自壊」へと導いていた。ソ連邦消滅という歴史のおおきな渦に身を投じた若き外交官は、そこで何を目撃したのか。 (裏表紙より)

「外務省のラスプーチン」と呼ばれた筆者が、20代から30代半ばまでを振り返り、入省の理由や語学留学を経てのロシア勤務を回顧しています。

身近な出来事や周囲の人物像を掘り下げることで、ロシアの民族と宗教、ひいては人間の志と欲望が垣間見れ、局所的な事象から人間の普遍性までをも描いています。

学問や仕事に真摯に打ち込む姿は、少しだけ自画自賛と感じる描写もありますが、研究者としてのプライドの表れだろうし、清濁併せ飲みながらも志のある人間として、外務省に必要な人材であったと思います。

丁寧な筆致ですが、やはり内容ゆえに難しいです。ただし、ソ連崩壊に立ち会った日本人外交官の記憶として、残しておくべき書だと思います。

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容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 (文春文庫)Book容疑者Xの献身 (文春文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。


最後に明らかになるトリックがとにかく良いです。ちゃんと伏線というか、読み手にも情報が与えられていて、読後に「あ~なるほど!気付かなかった!」と唸ること間違いなしです。

直木賞を受賞していなければ、目くじらを立てるほどでもありませんが、登場人物の起こす行動が少し安っぽいのと、説明不足な箇所が多いことが気になりました。

この小説に罪はありませんが、直木賞は「気軽に読むにはいいけど、読む必要はないで賞」に成り下がったのでしょうか。

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ストロベリーナイト

ストロベリーナイト (光文社文庫)Bookストロベリーナイト (光文社文庫)

著者:誉田 哲也
販売元:光文社
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女性刑事が主人公の警察小説。

軽やかかな文体で、登場人物もそれなりに魅力的ですが、パトリシア・コーンウェルの『検屍官』シリーズには遠く及びません。

強姦を扱うなとは言わないけれど、人物に深みを与えるために、手軽な手段として用いないで欲しいです。

不愉快でした。

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闘う政治

闘う政治―手綱を握って馬に乗れBook闘う政治―手綱を握って馬に乗れ

著者:長妻 昭
販売元:講談社
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ニュースでは、大阪府の橋本知事が教職員に向かって「民間なら、社長の言うことを聞かない部下なんてクビですよ!」と至極真っ当なことを言っています。

そうかと思えば、公僕であるという意識のかけらもない口調で麻生総理が、バラ撒き以外の何ものでもない定額減税を偉そうに発表しています。そして目くらましの経済対策、、、財源が不明ですが、おそらく国債発行で賄うのでしょう。

国債発行は、将来世代に負担を先送りすることになります。生まれたばかりで参政権の無い赤ちゃんにまで負担を強いることになります。

麻生さん、アンタの金ちゃうやろ?国民を馬鹿にするにも程がある。

自民党が長年吸い続けた、甘い蜜は離さない。そのための経済対策であり、国債発行であり、将来の増税でしょう。

国会の監視が行き届かない特別会計を残し、国家ぐるみの年金詐欺から目を逸らさせ、官僚の天下り利権も温存する。

この期に及んで国民をアホ扱いした政策を出してくるところが、低支持率の所以だと気づかない。

民意を問わない3代目の首相、麻生太郎。

国民の言うことを聞かない総理も与党も、クビですよ!

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ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)Bookナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

著者:海堂尊
販売元:宝島社
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ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)Bookナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

著者:海堂尊
販売元:宝島社
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映画化され、現在ドラマでも放送中の『チーム・バチスタの栄光』に続く、田口・白鳥シリーズの第2弾です。

うーん、あんまりでした。

前作で白鳥が登場したときは、突飛ながらも好意的に受け止めることができましたが、今作は登場人物もストーリーも取ってつけた感がありすぎて、しらけてしまいました。

田口・白鳥シリーズの第2弾というよりは、スピンオフ作品といった趣きです。

第3弾の『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読もうかどうか、迷うところです。

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洗脳原論

洗脳原論Book洗脳原論

著者:苫米地 英人
販売元:春秋社
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「心」をいつも攻撃されている現代人よ!
本書は、オウムとの闘いの経験から「心」の危険性と可能性を明らかにした私の原点であり、現代人の必読書を自負している。「心」を他者に操作されるか、みずから操作して新しい自分に生まれ変わるか、それはあなた次第なのだ。―苫米地英人(帯より)


著者の『洗脳支配』に引き続いて読んでみたものの、何となくの理解とそれなりの感想しか抱きませんでした。ブログを書くに当たって読み返しましたが、その印象はあまり変わりませんでした。


本書の構成は3部に分けられます。

1部では洗脳の仕組み・手法を紹介しています。「洗脳を行うときは、まず感覚や記憶を遮断して、もうろうとした意識状態にします。そして洗脳者が用意した「リアル」を刷り込みます。最後に、意識が覚醒したあとでも、あるきっかけを鍵にして行動を起こすように仕組みます。」

2部では著者が元オウム信者の脱洗脳を行った経験から、脱洗脳の方法を解説しています。「脱洗脳はコンピューターウイルス感染の除去と同じで、ウイルスを駆除すると共に、書き換えられたプログラムを修正することも必要です。」

「その際、たとえば教義の矛盾を指摘するために「カルマ」などの言葉を使うと、それが鍵となっている可能性があり、被験者が自殺するなどの行動を引き起こす危険性を伴います。」

「脱洗脳はコンピューターウイルス感染の除去と似ている」と著者が述べるように、ウイルス対策を回避するウイルスが現れるのを避けるためなのでしょうか、脱洗脳についてはあまり詳しく述べられていません。

第3部では、哲学の重要性を述べています。人が生きていくなかで情報をどのように受け取るか、それは哲学の領域です。すなわち誰もが哲学を持っているはずなのに、戦後の政教分離政策によって宗教から疎遠になり、引いては哲学からも目を逸らしていると指摘しています。

それゆえ、身内に不幸があったりして意識が揺らいでいるとき、哲学無く宗教にのめり込んでしまう危険性があります。場合によっては、自ら洗脳されることを望んでしまう。

一概に否定することはできませんが、「怪しい宗教」がはびこる現在においては、自らの哲学無しに生きていくのは危険だと言わざるを得ないと思います。


本書によって、洗脳・脱洗脳のすべてが理解できるわけではありませんが、垣間見ることはできました。帯にあるように「知識」として持っておくことは悪くないと思います。

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洗脳支配

洗脳支配ー日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべてBook洗脳支配ー日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて

著者:苫米地 英人
販売元:ビジネス社
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著者を知ったのは、水道橋博士と宮崎哲弥さんのネット番組「博士も知らないニッポンのウラ」でした。

その番組で著者は「資本主義も共産主義も、飢える人を無くすという目的は同じであった。資本主義は共産主義に勝つには勝ったが、その成れの果てが今の世界である。」と語っていました。

最近のメディア報道を見ていると「サブプライムが、サブプライムが、、、」と繰り返すだけで、本質をまったく伝えようとはしません。まるで「祟りじゃ、祟りじゃ、、、」と唱えているみたいで、本質から目を逸らすように仕向けているみたいです。

本書の帯「サブプライム問題の『カラクリ』を明らかにしています」に興味が沸いて、仰々しいタイトルに戸惑いながらも、一気に読了しました。

経済の素人ですが、以下のように考えることが出来ました。

1、サブプライムはあくまで過去の問題であって、「今、どうするのか。」が本当の問題。

2、信用取引はなぜあるのか。少なくとも商品先物市場において、現物の取引実績がない者の参加は規制すべき。

つまり素人がちょっと考えても分かるようなことが、なぜ実行されないのか。

読了して、再認識したのは、

1、資本主義はベストではなく、ベターである。

2、ルールを作ったものが、すべてを支配する。

3、「結局、得をしたのは誰か。」と考えるシャーロック・ホームズ式は正しい。

以上の3点でした。

下手な経済新聞を読むより、よっぽど理解に役立ちました。

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虚像の砦

虚像の砦 (講談社文庫 ま 54-5)Book虚像の砦 (講談社文庫 ま 54-5)

著者:真山 仁
販売元:講談社
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中東で日本人が誘拐された。その情報をいち早く得た、民法PTBディレクター・風見は、他局に先んじて放送しようと動き出すが、予想外の抵抗を受ける。一方、バラエティ番組の敏腕プロデューサー・黒岩は、次第に視聴率に縛られ、自分を見失っていった。二人の苦悩と葛藤を通して、巨大メディアの内実を暴く。(裏表紙より)


NHKによってドラマ化された『ハゲタカ』『バイアウト(ハゲタカ2)』と同じで、読み出したら止まりません。

定義さえあいまいな「テレビ」というメディアの有象無象が描かれていて、帯に「ドラマ化不可能な衝撃作」とありますが、衝撃作かどうかは別として、ドラマ化は難しそうです。

ここ数年にメディアを賑わした事件や不祥事をなぞっているだけ、と言えなくもないストーリーなので、衝撃作とまで呼ぶのはどうなんでしょうか?

公共の電波を借り受けて巨額の利益を得ながら、責任の所在はあいまいにしてしまう「テレビ」という権力、その危険性を再認識させられました。

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チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)Bookチーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))Bookチーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
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第4回『このミステリーがすごい!』の大賞受賞作。
”チーム・バチスタ”とは、バチスタ手術の権威・桐生医師を中心とした心臓外科手術チーム。バチスタ手術は、肥大した心臓を切り取り小さく作り直すという、単純な発想による大胆な手術。

成功率平均6割の難手術を”チーム・バチスタ”は27例連続で成功させていたが、3例立て続けに失敗してしまう。その原因を探るべく病院長・高城は、窓際講師の田口医師に調査を命じる。たまたま連続した不運か、医療事故か、それとも悪意によって引き起こされた事態か…。

疲弊した大学病院の医局制度から物語は始まり、よくある話かと思わせつつ、医療制度の様々な問題点を交えながら、ストーリーはどんどんとテンポアップしていきます。

主人公の人間臭さに秘めた温かさもいいし、他の登場人物も健気に生きる爽やかさあって、読んでいて心地よかったです。

細部に拘れば詰め切れていない感じもしますが、もしも高村薫さんあたりが取材に基づいて書いたとしたら、少し難解なものになっていたかも知れません。逆に現役の医師だからこそ、要点を絞って描けたと思います。

シリーズの続編『ナイチンゲールの沈黙』『ジェネラル・ルージュの凱旋』も読んでみようと思います。

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エイジ

エイジ (朝日文庫)Bookエイジ (朝日文庫)

著者:重松 清
販売元:朝日新聞社
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ぼくはいつも思う。「キレる」っていう言葉、オトナが考えている意味は違うんじゃないか―。通り魔事件が相次ぐ東京郊外のニュータウン。犯人はぼくの同級生。でもぼくの日常は事件にかまけているほど暇じゃなくて…。家族、友情、初恋に揺れる14歳、少年エイジの物語。山本周五郎賞受賞作。(裏表紙より)


本書は少年犯罪を扱っていて、軽々しい内容ではありません。けれども巧みな筆致が心地よくて、すんなりと読めました。

それにしても著者はなぜ、中学生をこんなにも瑞々しく描けるのか不思議です。前に読んだ『疾走』もやはり中学生が主人公でしたが、生々しい息遣いや鼓動が痛いほど感じられました。

本書はそこまでの緊迫感は醸し出さずに、あくまで少年エイジの家族、友情、初恋に揺れる日常を中心として描かれています。

テーマは「現実の事件と報道されるイメージとの乖離」です。社会やマスコミが短絡的に「いまの少年は…」と総括することによって、個々の事件そのものが見えづらくなってしまうと指摘しています。

人間はわからないというのは恐怖だから、無理にでもグループ分けをして理解しようとします。しかし、それは「森を見て木を見ず」になってしまう危険性があります。

犯罪の低年齢化や「キレた」結果がエスカレートしているというのは、なぜなんでしょうか?

評論家の三宅久之さんが「国会議員だけがバカだなんてことはありません。それは国民がバカだからです。」と繰り返し発言されていますが、まさしく中学生だけがキレるわけではないと思います。

そうすると、やはり社会のほうに問題があるという一般論に至ってしまい、個々の事件から離れてしまう…難しい問題です。


私たちがマスコミ報道によって事件を受け止めるとき、犯行の動機を考えるばかりではなく、そこに至るまで私たちができなかったこと、すべきであったことを真剣に考えなければならないと感じました。

その場しのぎで「あぁ、やはり分からない」というような納得の仕方をしてしまう…それは思考停止だと思います。

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ぷかぷかとうの ぼうけん

Bookぷかぷかとうのぼうけん (あかね書房・復刊創作幼年童話)

著者:西村 郁雄,たかし よいち
販売元:あかね書房
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小学校の図書室で出会ってから20数年、amazonで探し出して再読しました。

内容は忘れていたけど、題名はすごく印象に残っていました。

だって『ぷかぷかとうの ぼうけん』って、あまりにアヴァンギャルドな題名じゃないですか?

久し振りに読んでみると『ぷかぷかとうの ぼうけん』は、小学生のころへタイムスリップするチケットでした。

かつての僕がどんな感動を覚えたのか、、、「きっと未来の自分も同じように感動できるはず」って、おぼろげながらも想像していたような気がします。

作者の「たかしよいち」さんは1928年生まれで、この本を書いたのが1977年、50才のころ。

すごい!こんなアヴァンギャルドで夢があるお話を創造できる50才って!!!

僕もそんなひとになりたい!

Pukapuka

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失われた愛を求めて

失われた愛を求めて―吉井和哉自伝Book失われた愛を求めて―吉井和哉自伝

著者:吉井 和哉
販売元:ロッキング オン
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捨てることができるのは、それを持っているから…そう感じました。

あまりにも赤裸々な告白に、それでも吉井和哉が好きですか?と試されてるようです。

バンドメンバーと仲が悪かったから解散したわけではない、その一点は嬉しかったです。

ほんの少しですがhideのことにも触れられていて、やっぱり二人は似ているなと思いました。

『「イエロー・モンキーに戻ればいいのに」って言われるたんびに腹立ちましたからね。「全盛期に戻れると思ってんでしょ?」って。』

全盛期を超えるイエモンでも、うらぶれたイエモンでも、、、それでも再結成を待ってます!!!

万人受けする本ではないですが、the yellow monkeyが好きで、吉井さんのことが好きなら、読むべき本だと思います。

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模倣犯

模倣犯1 (新潮文庫)Book模倣犯1 (新潮文庫)

著者:宮部 みゆき
販売元:新潮社
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第55回毎日出版文化賞・特別賞
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR総合ランキング第1位
このミステリーがすごい!第1位
第52回芸術選奨文部科学大臣賞
第5回司馬遼太郎賞
週刊文春ミステリーベスト10 第1位

『火車』『理由』と並ぶ現代ミステリの金字塔!日本国中を震撼させた未曾有の連続女性誘拐殺人が発生!(帯より)

中居正広主演で映画化され、「観るのは原作を読んでから」と思っていたら、5年も経ってしまいました。

ようやく読んだのですが、後々気付けば帯に「全5巻」と書いてあるのに、勝手に上下巻だと思い込み、2巻で完結する!と一気に読み進めました。

第2巻のラストになって「第3巻に続く」に遭遇し、改めて本の帯を見て全5巻と知りました。時すでに遅し、、、力尽きてしまって、第3巻からは読んでいません。

僕にとって縁のない本だったのかも。

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夢をかなえるゾウ

夢をかなえるゾウBook夢をかなえるゾウ

著者:水野敬也
販売元:飛鳥新社
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主人公は「人生を変えよう」として何かを始めるけど全部三日坊主に終わってしまうサラリーマン。しかし、ある日突然、彼の目の前にゾウの姿をした奇妙な生き物が現れます。

「ガネーシャ」という名を持つ、インドからやってきたこの神様は、主人公の家にニートとして住みつき、ゲームをしては寝るだけ。たぶん、史上最悪のメンター(師匠)でしょう。

しかし、ガネーシャはこう言います。今から自分が出す簡単な課題さえこなしていけば、お前は確実に成功する――。

成功を願う普通のサラリーマンとぐうたら神様ガネーシャ。この二人が「成功するためにはどうしたらいいか?」「そもそも成功とは?」自己啓発書のメインテーマを、従来とは少し違った形(具体的に言うと、慢才です)で深めていきます。(著者コメントより)


自分というのは、ここではない何処かではなく、ここにある!と伝えています。

自己啓発書といっても堅苦しくなくて、だからこそ自然体である大切さを意識させられました。

笑えたり、少しホロリとさせられたり…少年文学のようにシンプルな物語。

小学生のような素直な気持ちになって読めたと思います。

サクッと読んでみてください。

薦めてくれたミク友、さくらさんに感謝!

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理由

理由 (新潮文庫)Book理由 (新潮文庫)

著者:宮部 みゆき
販売元:新潮社
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事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いたったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。(背表紙より)

ニュースで繰り広げられる様々な事件。それらには表層と深層がありますが、その深層を探るドキュメンタリーとして綴られ、「リアリティーとヴァーチャルリアリティー」がテーマになっています。

ふとしたと強さや弱さから事件に巻き込まれる人々、後半は少しもどかしく感じましたが、登場人物への興味を掻き立てられつつ、一気に読んでしまいました。

少し疑問なのは、小説としての面白さに関係はありませんが、横山秀夫の『半落ち』は難クセを付けられて直木賞を逃したのに、この作品がなぜ受賞できたのか、です。

、、ネタバレなので逆文で↓

?かのいないてっ残ぜなはとひるれわ思と者害被、にのるいてっ残が像映にーターベレエはとひるれわ思と者害加

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わるいやつら

わるいやつら〈上〉 (新潮文庫)Bookわるいやつら〈上〉 (新潮文庫)

著者:松本 清張
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わるいやつら 下    新潮文庫 ま 1-9Bookわるいやつら 下  新潮文庫 ま 1-9

著者:松本 清張
販売元:新潮社
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どのように美しくても、経済力のない女は虫のように無価値だ”医学界の重鎮だった亡父の後を継ぎ病院長となった32歳の戸谷信一は、熱心に患者を診療することもなく、経営に専心するでもない。病院の経営は苦しく、赤字は増えるばかりだが、彼は苦にしない。穴埋めの金は、女から絞り取ればいい…。色と欲のため、厚い病院の壁の中で計画される恐るべき完全犯罪。(背表紙より)

著者にしてはあっさりとしたストーリーで、意外なほどさっくりと読めます。

ただし、主人公の戸谷が東北まで女を追いかける件は、著者らしいトリックと心象描写が出ていました。

『わるいやつら』…想像を掻き立てるタイトルですが、登場人物たちは少し期待外れでした。

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犯人に告ぐ

犯人に告ぐ 上 (1) (双葉文庫 し 29-1)Book犯人に告ぐ 上 (1) (双葉文庫 し 29-1)

著者:雫井 脩介
販売元:双葉社
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犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫 し 29-2)Book犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫 し 29-2)


著者:雫井 脩介

販売元:双葉社
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神奈川県警の警視である巻島史彦は、かつて誘拐事件の記者会見において大失態を犯し、左遷された。それから6年後、川崎市で発生した連続児童殺人事件、その捜査の行き詰まりを打開するため、かつてない捜査手法がとられることになった。現役の捜査官がニュース番組に出演し、犯人に語りかけるのである。そこで白羽の矢がたったのが、巻島史彦であった。

最高に面白い!自信をもってお勧めできます。

意表を突くトリック、複雑な思いを絡ませた人間関係…読み出したら止まりません。

犯人との心理戦は緊張感に溢れているし、主人公を取り巻く脇役たちが光っています。

余すところ無く描く著者の筆が痛快です。

映画化され、2007年10月に公開されます。文庫本の帯に、主人公を演じる豊川悦司が犯人に語りかけている写真が載っているのですが、あまりに印象深くて、読んでいる間ずっと頭から離れませんでした。ハマリ役だと思います。

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69 sixty nine

69sixty nine (文春文庫 む 11-4)Book69sixty nine (文春文庫 む 11-4)

著者:村上 龍
販売元:文藝春秋
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著者が高校生であった1969年、長崎を舞台に繰り広げられる半自伝的小説。2004年に妻夫木聡主演、宮藤官九郎脚本で映画化された。

兎にも角にもポップ!

何事にも一度は理屈を並べつつ、「いや実は理屈なんかじゃない、モテるためだ!」と開き直る潔さが心地よく、爆発する若いエネルギーをばら撒いて、突き進んでいきます。

読後感として高尚なものがある訳ではないけれど、兎にも角にもポップ!!!

女性誌『MORE』での連載だったようですが、女性読者に喜んでもらおうと(モテようと?)奮闘した著者の姿を思い浮かべると、それも楽しいと思います。

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夜のピクニック

夜のピクニック (新潮文庫)Book夜のピクニック (新潮文庫)

著者:恩田 陸
販売元:新潮社
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とある進学校の伝統行事「歩行祭」、それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すイベント。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱き、高校生活最後の歩行祭に臨む…。第2回本屋大賞受賞作。

過ぎ去った時間の大切さは、過ぎ去ってみないと気付かない…そう、しみじみと感じました。

そして、過去の大切さに思いを巡らすのは儚いけれど、未来において過去となる「今」をどう生きるか、それが本当は大切なんだろうと思い至ります。

自分は高校生のころ、登場人物たちのように深く考えることは無かったなぁと思いながら、でも今この本を読んで自分は少しは考えているなぁと思いながら。歩行祭と同じようにところどころ立ち止まりつつ、煌くような台詞に胸を締め付けられます。

読み心地はとても爽やかです。じっくりと味わいたい気持ちと読み進めたい気持ちが交錯しながら読了しました。

高校生のころの自分に訴えたい本でもあるし、今の自分にも訴えかける本でした。

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半落ち

半落ち (講談社文庫)Book半落ち (講談社文庫)

著者:横山 秀夫
販売元:講談社
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「妻を殺しました」と自首してきた現職警察官・梶聡一郎。なぜ、彼は完全に”落ち”ないのか。その胸に秘めた思いとは―。

第128回直木賞にノミネートされ、すったもんだの末に受賞できなかった作品。

警察や裁判所の内部を緻密に描きながらも、何か欠けるものがある気がして大味な感じがします。それは「半落ち」というタイトルがもたらすものとして、ある種の雰囲気を醸しだしてはいますが、いま一歩であるように思います。

むしろ直木賞を受賞しなかったことによって、110万部(単行本57万部+文庫本54万部、帯より)も売れたのでしょうが、話題づくりで売れてしまった印象があって、「売れた本がこの程度か」と感じるのは仕方なく、著者が気の毒であると思います。


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ハゲタカⅡ

ハゲタカ2(上) Book ハゲタカ2(上)

著者:真山 仁
販売元:講談社
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ハゲタカ2(下) Book ハゲタカ2(下)

著者:真山 仁
販売元:講談社
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『バイアウト』を文庫化に際して改題。

前作に引き続き、企業買収の裏側が克明に描かれています。

冒頭は前作と同じような調子で進みますが、中盤以降、前作で敵対していた者同士がチームを組んだりと、さらなる展開が待ち構えています。

主だった登場人物は同じです。前作でたっぷりと人物像を描いているので、今作では思い切った展開に筆が割かれています。ただし「鷲津政彦」の人物描写はどんどん深まっていて、ますます魅力を増しています。

前作よりパワーアップしています。

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ハゲタカ

ハゲタカ(上) Book ハゲタカ(上)

著者:真山 仁
販売元:講談社
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ハゲタカ(下) Book ハゲタカ(下)

著者:真山 仁
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投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、バブル崩壊後、瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、鷲津は斬新なプランを披露し、業績を上げていく。企業買収、再生の真実を克明に描いた快作。

バブル崩壊後の日本にあって、登場人物たちは正しい判断力と鋭い断行力を駆使して難局に立ち向かい、各々の正義をぶつからせます。そして、成功か挫折かは別として、何かしらの成長を遂げていきます…その姿に惹かれて、一気に読了しました。

経済という難しい題材でありながら、登場人物それぞれの物語として描いているので、門外漢の私にも楽しめました。

「日本全体が銀行のゲームに付き合わせられたのがバブルだったんだな」と思いました。また、いくつかの章の冒頭に、新渡戸稲造の『武士道』とジム・モリソンの『The End』からの引用があり、なかなか感慨深かったです。

続編『バイアウト』(文庫版では『ハゲタカⅡ』)も是非読んでみます。

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海がきこえる

海がきこえる Book 海がきこえる

著者:氷室 冴子
販売元:徳間書店
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海がきこえる〈2〉アイがあるから Book 海がきこえる〈2〉アイがあるから

著者:氷室 冴子
販売元:徳間書店
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amazonのレビューで「90年代青春小説の金字塔!」とあったので、「読まねば!」と思って読みました。

届いた本を開くと、、、挿絵の多いこと、多いこと。「こ、これは!やってもーたかな?」と焦りました。しかも全ての挿絵がカラーです。「軟弱な物語ではないのか?」と。

それは誤解でした。アニメージュというアニメ専門雑誌に連載されていたそうです。そしてアニメ化されてヒットしたそうですが、知りませんでした。

展開にハラハラ・ドキドキしつつも、安心して読める、良質な小説でした。

ありきたりな日常に飛び込んでくる数々の事件。後から考えると大したことではないのに、それに右往左往する。それが青春時代だったんだろうなぁ、と思います。

高知での高校時代、東京での大学時代。環境が変わっても変われない自分。でも少しは変わっていく自分。それが成長なのか順応なのか分からない。けれども、とにかく大人になっていく。

笑いと涙を詰め込んだ、最高にエンタテイメントな青春小説です。

あと、土佐(高知)弁を学ぶのにも役立ちます。

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白夜行

白夜行 Book 白夜行

著者:東野 圭吾
販売元:集英社
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物語は1973年、大阪の下町から始まる。そこでは「隙の無い人間」たちが這いつくばり、貪欲に生きていた。質屋の主人が殺され、刑事は謎を追いかける。それから19年間、事件は事件を呼び、舞台を東京に移しながら、二人の男と女という軸をおぼろげに浮かばせつつ、結末へと向かっていく。

時々の話題が挿入され、19年という時の流れを感じることが出来ました。特にパソコン関係の件が多く、「そう言えば、フロッピーの前はカセットテープにプログラムを記録してたなぁ。」と懐かしくなりました。

上手い小説ではありますが、前半部に登場する大阪の下町の鬱屈とした街の描写や人物の描写は、後半部になるとめっきり陰を潜めてしまいます。導入部に読み手を惹き付けようとしただけの描写であって、上辺だけだったんだなぁと読了して感じました。

後半部は、見事に練り上げたストーリーの結実に向かって一直線で、味わいもへったくれもありません。作者の自己完結といった感が強く、筆が上手いのでノンストップで読めてしまうのですが、読了直後は感慨深くとも、5分後には疑問が込み上げてきました。

読み手に明かされている範囲では、犯人は完璧な犯行を重ねているように見えます。ですが、一人の人間の周囲で同じ手口の事件が2件ならまだしも3件も起こるような事態があれば、幾らなんでも警察が見逃す筈がありません。どれだけ警察の追及がしつこいか、それを幾度となく描写しているので尚さらそう感じます。

なぜ犯人はそのような手口を使うのか、終盤に理由が明かされますが、伏線を張っていたという作者の思いだけが透けて見えて、前半部の街や人の暑苦しさといった描写からは感じられた、生身の人間が全く感じられません。その伏線にしてもいかにも陳腐な用い方をしていて、同じパターンを3回も使った言い訳のようにも感じます。

犯人のキャラクターが冷酷であるからと言えばそれまでですが、作者がそういう開き直り方をするならば、小説を読ませる意味が無くなってしまいます。冷徹な犯人がこれをしました、あれをしました、そしてこんな点と点の繋がりがあったんですよ、と。読み手として傍観するばかりで、「あぁそうですか。」としか感想の抱きようがありません。

アメリカFOXテレビのドラマ「24」のようです。場面ごとには興味を惹かれますが、終わってみると何も残らない。テレビ・ドラマや映画であれば好きなのですが、小説でそれをやられるのは、ちょっと。

この小説は、脚本であってドラマではありませんでした。

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陰日向に咲く

陰日向に咲く (幻冬舎文庫 け 3-1)Book陰日向に咲く (幻冬舎文庫 け 3-1)

著者:劇団ひとり
販売元:幻冬舎
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話題になっていたときは避けていたのですが、やっぱり気になっていたので読みました。

そもそも著者の「劇団ひとり」さんって何者なんでしょうか?お笑い芸人だとは知っていましたが、テレビなどで見たことはありませんでした。

「1997年千葉県生まれ。父の仕事の関係で幼少期をアラスカで過ごす。1992年デビュー。コンビ「スープレックス」を結成するが2000年解散。ピン芸人として再出発後、総勢10名のキャラクターを演じる一人芝居で注目される。映画「嫌われ松子の一生」やTVドラマ「電車男」等で俳優としても活躍。本作が初の著作であり、処女小説となる。」(著者略歴より)

総勢10名のキャラを演じ分ける?めっちゃ気になります。まずそちらを見てみたい、、、話が逸れてしまいました。

「落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説。」(帯より)

読み始めは、色々な作家の作風が垣間見られたり、最近の小説の流行を取り入れた習作のようで、、、タレント本にしては良く出来ているなと感じました。

ところが読み進めるにつれて、色々な作家の作風を垣間見せつつも、それを著者の作風としてしっかりと纏めあげていて、読み手の穿った見方や想像の範囲をさらりと超えていて、心地良く小説の世界に引きずり込まれてしまいました。

恩田睦が寄せたコメントが本書の帯に載っています。「ビギナーズ・ラックにしては上手すぎる。あと2冊は書いてもらわなきゃ。」

まさしくその通りだと思います。確かに上手い、あまりに上手い!けど、もう2冊ぐらい読んでから判断したい!本当にそんな気持ちになります。

安心して読んでください。普通に面白い本です。それほど多くない分量なので、淀みの無い文体と相まって、一気に読めば2、3時間で読めてしまいます。

ただ、僕は読み終わってから「もう少し丁寧に読めば良かったかな」と思ったので、これから読む人にもゆっくり、じっくり読むことを勧めたいです。

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龍は眠る



日本推理作家協会賞受賞作全集〈67〉龍は眠る


Book

日本推理作家協会賞受賞作全集〈67〉龍は眠る


著者:宮部 みゆき

販売元:双葉社

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嵐の夜、開いたままのマンホールに小学生が落ちた。近くを車で通りかかった雑誌記者の高坂は、ずぶ濡れになった少年を拾う。少年はヒトやモノに触れるとその記憶を読み取ることができる、自分は超常能力者だと言った。

佳作か駄作かの判断は難しいですが、宮部みゆき作品としてのマンネリ感は否めません。

超常能力を持つことは、人が羨むようなものではなくて、本当は辛くて苦しい。その一点がことさら主張され、テーマが絞られているというより、物語として膨らみがありません。結末も高尚過ぎて、短絡的なドラマの脚本のようです。

ただし実際にドラマ化すれば面白いと思います。

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疾走

疾走 上 疾走 下

中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、進学校に通う兄と暮らしていた。ある日、優秀だったはずの兄が罪を犯し、一家は苦難の道へと追い込まれる。「誰か一緒に生きてください-。」

現代版『路傍の石』…傑作!!!すぐに「もう一度読みたい!」と思いました。

表紙が重苦しいですが、内容はそれ以上です。地域差別、いじめ、リゾート開発、やくざ、宗教、セックス。様々なテーマが貪欲に描かれ、生きるとは?罪とは?と問い掛けます。

悲惨な運命の波に呑み込まれながらも、真っすぐであり続ける少年はとても清らかで、胸に響きます。

ほんとうに悲しくて悲しくて、切ない物語です。

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約束の冬

約束の冬〈上〉 Book 約束の冬〈上〉

著者:宮本 輝
販売元:文藝春秋
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約束の冬〈下〉 Book 約束の冬〈下〉

著者:宮本 輝
販売元:文藝春秋
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10年前に見知らぬ少年から手渡された手紙。「空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか?ぼくは見ました。蜘蛛が空を飛んで行くのです。十年後の誕生日にぼくは二十六歳になります。十二月五日です。その日の朝、地図に示したところでお待ちしています。お天気が良ければ、ここでたくさんの小さな蜘蛛が飛び立つのが見られるはずです。ぼくはそのとき、あなたに結婚を申し込むつもりです。こんなへんな手紙を読んで下さってありがとうございました。須藤俊国-。」

引用が長くなりましたが、冒頭すぐなのでお許しください。

筆者らしいと言えばそうなのですが、不思議な小説です。色々と突飛なことが起こるのに、それでストーリーが瓦解してしまわないのです。

それどころか、読み手として納得させられた上で惹き込まれていきます。おそらく、会話文が天才的に「生きている」ことが要因だと思います。

この不思議な感覚を味わってみてください。

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トワイライト

トワイライト Book トワイライト

著者:重松 清
販売元:文藝春秋
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26年ぶりの同窓会。封印を解かれたタイムカプセルが、僕たちに届けたものとは……。

「太陽の塔」がちょこんと置いてあるイラスト、帯の「『あの頃の21世紀』は、もっと輝いていた-。」に惹かれて読みました。

切なさと希望が入り混じった、大人の青春がキラキラと綴られていてます。

昔に戻れないというのは、本当に切ないことですね。けれども、現在において希望を持つことはできる…難解な作品ではありませんが、胸に響きます。

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半島を出よ

半島を出よ (上) Book 半島を出よ (上)

著者:村上 龍
販売元:幻冬舎
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半島を出よ (下) Book 半島を出よ (下)

著者:村上 龍
販売元:幻冬舎
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北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。

渾身の作、としか言いようが無い。

薀蓄を散りばめつつタブーを扱う小説、その点で「ダ・ヴィンチ・コード」と似ている。けれども人物描写の点において、遥かに重厚である。立場の異なる人物それぞれの背景を描き、語らせているからだろう。

綿密な下調べによるプロットは複雑ではるが、ツマヅキが無い。その上、著者が得意とするグロテスクでシニカルな場面描写が重みと輝きを増していて、惹き込まれる。1650枚という圧倒的な量の書き下ろしであったが、一気に読み進んだ。

圧巻は下巻の中ほど、医師が収容所を歩く場面。詳細は書かないが、村上隆節が炸裂している。自分は戦争の悲惨さを知らない、と実感させられた。

あとがきで「幻冬舎の『13才のハローワーク』チームが引き続きマネージメントをしてくれた」と述べている。「北朝鮮のコマンド、それは職業なのか」そんな疑問を読者は思い浮かべる、著者はそう想像したのかも知れない。

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砂の女

砂の女 Book 砂の女

著者:安部 公房
販売元:新潮社
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砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂丘に埋もれゆく一軒家に閉じ込められ、考えつく限りの方法で脱出を試みる。そして女は家を守るために、あらゆる方法で引き留める。

日常では無い世界での日常。自分達の世界は正常なのか、不安にさせられます。

「男」が考えている事と「女」へ発せられる言葉、その微妙な違いや対比が見事です。

「男」は考えている事は割と冷静なのに、「女」と話す時は感情を爆発させます。そこに「女」への精神的な依存が描かれていて、物語の核であると思います。

安部公房さんの文章は、描写や展開が柔軟で淀みが無く「しなやか」です。ただし「強靭な」筋が通っていて、そこに考えさせられます。

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ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード(上) Book ダ・ヴィンチ・コード(上)

著者:ダン・ブラウン
販売元:角川書店
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角川書店のサイトに掲載されているインタビューにおいて、著者であるダン・ブラウンは「あらすじは?」との問いに以下のように答えています。

「高名なハーヴァード大学の象徴学者が警察によってルーヴル美術館へ呼び出され、ダ・ヴィンチの作品にまつわる暗号めいた象徴を調べるよう依頼されます。その学者は暗号を解読し、史上最大の謎のひとつを解き明かす手がかりを発見するのですが……追われる身となります。」

ミステリーとして見ると、巧妙なプロットではあるものの、登場人物が何故そのような行動を取るのか…という人物の背景描写があまりに希薄です。登場人物に肉付けや生々さが無いので、「生身のキリスト」へと繋がる「キリスト教のミステリー」に関する記述が空虚に感じられます。

これだけの分量を読了して感じるのは、この小説において取り上げられる「キリスト教のミステリー」に対する純粋な好奇心だけでした。知識を駆使して謎を解き明かす件は興味深く、テーマも面白いのに、、、小説としては明らかに失格です。

難しいテーマを分かりやすく説明するため、単に小説という手法を借りた、そのような印象を受けます。算数の問題を説明するため無理矢理「○○くんは林檎を3個仕入れて2個売りました。林檎はいくつ残ったでしょう?」とするみたいに。

同じく角川書店のサイトに、セント・ジョーンズ聖公会のジョン・シュウェル師が新聞に寄稿したものが引用されています。

「この小説は脅威ではない。これは好機である。われわれは文化に創造的にかかわるよう呼びかけられたのであり、それこそわたしが望んでいることだ。わたしはダン・ブラウンに感謝すべきだと思う。この重要な問題について話す機会を与えてくれたのだから」

最後の一文には多いに賛成です。

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箱男

Book 箱男

著者:安部 公房
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箱男は、しじゅう覗き屋でいるためにダンボールを被る。社会との一切の関わりを拒否する点で、浮浪者とは違う。

はじめて、阿部公房の作品を読みました。凄いの一言です。

とにかく筆が上手い!突飛なテーマなのに、完全にハマります。

作者の深淵なる倒錯が垣間見え、ただただ驚愕するのみです。

この手の小説は「村上龍が最高!」と思ってましたが、無知でした。

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葉桜の日

Book 葉桜の日

著者:鷺沢 萠
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芥川賞候補になった表題作と三島賞候補になった「果実の船を川に流して」を収録。

先日「僕の中では青春小説の金字塔」と紹介した「葉桜の日」、古本屋さんで見付けたので再読しました。

…同じ頃に読んだ、他の本と勘違いしてました!「金字塔」と評した本の内容と「葉桜」というタイトルに魅かれた記憶とが合わさってました。

さて「葉桜の日」です。それぞれの登場人物には、寂しくて儚い側面と固い意思を窺わせる側面があって、そのような世界観が心地良かったです。終わり方も「僕の中では短篇の結末として理想的」でした。

調べると、著者は22才でこの作品を書いたようです。けれども「若さ」を売りにしていない、地に足の着いた作品でした。

内容は間違って覚えていましたが、最初に読んで以来「葉桜」は好きな言葉です。

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幸福な食卓

幸福な食卓
瀬尾 まいこ著(2004年、講談社)¥1,470

「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」この一言から物語ははじまります。

家族それぞれが、どこかオカシナ部分を持っている。それがどんどん大きくなって…お互いを思う心とは裏腹にオカシナ状態に突入していく。

悲劇なのかどうか分からない。けど読後感は「さわやか」。まるで青春物語のよう。つまりは主人公が大人になっていく過程、だったのかな。

ふとした時に呼んだ本。勧めてくれたDokiに感謝。

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五分後の世界

五分後の世界
村上龍著(1997年、幻冬舎文庫)560円
「著者自ら最高傑作と語る衝撃の長編小説」とある、その通りだと思う。

異質の世界を生々しく描く、紛れもなく村上龍の世界。

この小説の世界観はあまりに異質で、かえって、星新一のような軽ささえ感じられる。(星新一を批判してではなく)

それを打ち消すような、グロテスクな戦闘の描写、質感まで伝わる詳細な場面描写。

読後、この小さな文庫本が、物理的なものより重く、大きく感じた。

傑作。

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人生論 -その1-

Book 人生論

著者:原 卓也,トルストイ
販売元:新潮社
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良い意味で期待は裏切られ、サクサクと読めました。

何の気無しに買いましたが、「人生論」というタイトルは近寄りがたさ満点でした。

ところが読んでみると、難しい箇所は何度も言い換えてくれるし、譬えも上手く使われていて、キチンと理解して読み進められました。

内容は限りなく仏教に近い、です。途中から「あれ?これ仏教じゃないの?」と感じて、最終的には「これ仏教やん!」と思いました。

読後にネットで調べたら、2001年にトルストイ財団がダライ・ラマ14世に賞を授与してました。
http://www.tibethouse.jp/news_release/2001/Tolstoy_Foundation_Aug13_2001.html
やっぱり関係は深いようです。

「人生論」というタイトルですが、トルストイ爺さんが「人生とはなぁ」と薀蓄を垂れる、そんな堅苦しい雰囲気はありません。

訳者が後書きで述べてますが「人生について」とするのが良いと思います。

全体を前半と中盤と後半の3つに分けると、前半の論旨は次の通りです。

①人間の生命を誕生から死までの動物的生存とするのは、誤りである。
②理性的な意識のあらわれから、人間の生命ははじまる。
③動物的生存と人間の生命との混同は、意識の分裂(苦しみ)を生じる。

中盤は「欲望と苦しみ、真の幸福」、後半は「死(の苦しみ)」を扱っています。そして「動物的生存を人間の生命である、そう勘違いするから苦は生まれる」と説いてます。

以上のようなことから、サブ・タイトルを「動物的生存と理性的な意識」にしても良いのではないでしょうか?

今の自分にとって、この本はピッタリでした。意識と肉体の分離というのは哲学の分野ですが、哲学を用いるのはそこまでです。哲学の用い方はそれ位が丁度良い、そう思うので自分にはピッタリでした。

何回かに分けて、少し考察したいと思います。「仏教と同じやん」と感じましたが、同じ箇所と違う箇所を見つけ出したいです。

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インストール

インストール
綿矢りさ著(2005年、河出文庫)380円
第38回文藝賞を受賞した表題作とともに、短篇「You can keep it.」を収録。著者は2001年に本作でデビューし、2004年に「蹴りたい背中」で芥川賞を史上最年少で受賞した。また本作は、上戸彩主演で映画化されている。

発表された当時は、ほとんど短篇に近い中篇を単行本で買うのがもったいなくて読みませんでした。そして最近、短篇もプラスされて文庫で出たので飛びつきました。話題になってたときは敢えて近づきませんでしたが、気にはなってました。

インターネット、女子高生、性風俗を扱っていて、そして著者が高校生!出版界が売り出すにあたってあまりにキャッチー。最近の、、、うーん、いま命名しましたがテレビドラマ文学だと思いました。人間の深いとこまで掘り下げる、そんな高尚なことでもないですが、読み手に深く考えさせるとかじゃなくて、日常的な描写で読み手にも共感しやすい、そんな感じです。さらっと、ふわっと、キュン、、、みたいな。そういう点で読むとまずまずですね。

彼女の、ま、ちょっとしたオリジナリティーは、句読点の少ない、会話的な文章。本当に会話的にするなら改行を多用したほうがよいなと僕は思います。それこそ脚本みたいに。あと、真実を見抜いている風のことを主人公に考えさせている。そこらへんが安っぽい、安っぽいけど実は…てなことではなくて、本当に安っぽい。

短篇ゆえの制約もあるだろうから難しいけれど、もう少し、もう一段階の何かがあれば良かったと思います。たぶん著者が表現したかったことは最初の2ページだけで、あとは小説を書く練習や発表会みたいに感じました。何かを深く考えさせる描写というのがなくて、申し訳程度に、登場人物には実はそういった面が…という直接的な記述がチラ、ホラっと。

追加収録の短篇は、なかなか好きです。これは大学生の話、それも入学したての風景。僕も、あのころは一番ドキドキしてたなぁ。大学生活ならば『葉桜の日』(鷺沢朋)が僕の中では金字塔ですが、それを読んだ当時のわくわく感を思い出させる短篇でした。『葉桜の日』はどんな内容だったかなぁ。読後感だけは覚えているけど、内容は忘れてしまいました。また読んでみよう。

付けたし…このブログの途中で「現役の高校生」って言葉を使おうとしたけど、「現役の」って意味ないですよね。だって現役でなくなったら「高校生」じゃないから。ふだんテレビとかで「現役の…」って使われてるけど、「元…」というのと対比した表現で、現役であるということを強調して使われているのですね…ちょっと考えました。

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柔らかな頬

柔らかな頬〈上〉
柔らかな頬〈下〉
桐野夏生著(2005年、文春文庫)590円・562円
直木賞受賞作。二家族で北海道の別荘へ行ったところ、娘が失踪。その娘を探そうとする母親だが、彼女自身が漂流してしまうという物語。

僕の好きなタイプの小説です。冒頭に娘の失踪というテーマを提示して、その解決を追いつつ、平凡な人々の内面に潜むネガティブな部分を丁寧に描いています。

ストーリーの展開や細やかな場面の描写は、読んでいてストレスが溜まらない、上手いと感じさせるものがあります。残念なのは、主人公のパーソナリティーが、男性から見た女性像であり、リアリティーが無い様に感じられる点です。

読後感は、感銘といったものでは無いですが、色々と考える事が出来て面白いです。白と黒では割り切れない世界を上手く伝えていると思います。

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火車

火車
宮部みゆき著(1998年、新潮文庫)900円
婚約者から「過去にクレジット・カードで事故を起こしたろう?」と問われて姿を消した若く美しい女、彼女を探す休職中の刑事が主人公。山本周五郎賞を受賞した作品。

素晴らしい!!!傑作です。一気に読み終わりました。

本格派ミステリーと呼ぶには見逃せない点もありました。けれども敢えて申しません。それを凌駕する、場面や人物の描写に引き込まれました。

読後感は「好奇心」と「温かさ」です。「好奇心」は失踪した女性の心情に対して、「温かさ」は主人公や周囲の人々の描写から。

おそらく…筆者としても書き足りない、ミステリーの描写で手を加えたい部分もあったと思います。読み進めている途中、少しずつ感じました。悪くはない組み立てなのですが…なぜか、そう思います。

数ページ読み出せば、止まりません。お薦めです。

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